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し診察をていねいに行うこと
?治療においては患者の個別性を尊重すること、薬物の副作用への注意、薬以外の治療の工夫、西洋医学と東洋医学の併用
?多職種の介入、チームによるケアの必要
?繰り返し再評価すること
?家族の介入を考慮する
?どんな状況にあっても“希望”を持ち続けることの大切さ
などがあげられた。
死亡直前のさまざまな症状についても、どこまで治療するか、どのように予後を判定し、家族をどうサポートするかなどを考慮したマネージメントの必要が述べられた。
また、薬物以外の治療法として、針治療、芳香療法、リラクゼーショングループ、音楽療法、芸術療法など多様な方法があげられた。参加者からもマージャンやカラオケなど、お国柄を反映したアプローチがケアの一環として取り入れられていることが報告された。さらに、美容室で髪をセットしている婦人や、家族の面会にリラックスした表情の患者、死を前にして結婚式をあげる患者の姿などがスライドで紹介され、患者に与える好影響について述べられた。そして、「これらのアプローチが効果的なのは、治療者が患者を価値ある存在として接し、時を共にしているからである」という説明を聞き、治療の原点を再発見したような思いであった。

 

 

 

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